二度目のエクスタシーのとき、薫は中山一郎(なかやまいちろう)という老人を名乗った。一度目は神だった。中山老人は独特の講談めいた口調で、有楽会について語りはじめた。自身は大学の哲学科の名誉教授だと言った。
 中山老人は有楽会の成立と目的、そしてみずからがその巫術(ふじゅつ)を師事した亀山博士(かめやまはかせ)について話した。
 だが仮にこの憑依(ひょうい)のような出来事がほんとうだったとしても、薫と鉄がつくろうとしていたゲームの設定が現実だなどと言えるのだろうか?